メディア時評の広場

 

 メディアをめぐる情報の共有、意見交換のページです。

 

  菅首相が生出演したNHK「ニュース9」で、キャスターの質問が「学術会議の任命拒否」におよび、「事前の打ち合わせと違う」として、内閣広報官がNHK政治部長圧力?をかけたことが問題になっています。

 さらに、委縮や忖度を狙ったのか、官邸サイドが「NHKや民放の各番組をエアチェック」の報道にあるように、政権によるメディアへの締め付けが露骨になってきています。  

 このページでは、メディアに関わる記事や論評などの情報を共有し、意見交換ができることを目的としています。              

             (2020.12~)

 

  投稿は「ホームページvol2」からお願いします。

 

 



2021.12.31 今井 潤(放送を語る会)

 

 12月27日、読売新聞と大阪府が8項目の『包括連携協定』を結んだそうですが、さっそくリベラル系のユーチューブから

大きな批判が寄せられています。抗議署名も集まっているとのことです。
IRでカジノ推進、万博推進など維新の政策を大手メディアぐるみで進める戦略であることは明白です。
 また、和泉洋人という悪名高い官僚がこの8月維新の参謀についたということです。

彼は学術会議の6名の任命拒否に関わり、辺野古基地建設のごり押しをすすめる補佐官だった人物です。
 こういった大阪維新をめぐる動きについて情報交換を活発にしていきたいと思います。

           

           


2021.12.8. 山村惠一(大阪)

 「開戦80年」の日の新聞ラテ欄より

 

 12月8日真珠湾攻撃から80年の日、先の戦争に対する各テレビ局の構えを、朝日新聞(大阪)朝刊ラテ欄から読み取ろうと確認してみた。(赤線アンダーライン)

 NHKテレビは5:00の「おはよう日本」から11:35の「Nスぺ」(再)までのニュース枠に「歴史探偵」やスペシャル、さらに、地域局初番組にも「開戦80年」番組が重層的に編成されいて、意気込みが感じられる。

 一方、民放テレビの編成を見ると、ただ1件報道ステーション(ABCテレビ)「真珠湾攻撃から80年」のみで、ニュース枠でも「前澤氏宇宙旅行」と「紀州のドンファン遺産問題」が占めている有様である。放送では「開戦80年」に触れらえるものとは思うが、新聞ラテ欄は、短文であるが各放送局が何を伝えたいかその姿勢が示されている。「開戦80年」でなく野次馬的興味を煽る民放局に、ジャーナリズムはどこに?と問いたいものである。

 

 


2021.12.1. 増田康雄

 【伝言館声明】 
  原発題材の演劇を放送から排除した福井ケーブルテレビについて
            

「伝言館」は1972年に日本学術会議が初めて開催した原子力発電に関するシンポジウムで提起された「6項目の点検基準」を支持している。
それらは、❶対米従属の開発体制ではないか、❷経済開発優先主義ではないか、❸地域に根ざした内発的な開発計画を阻害しないか、❹軍事利用への歯止めは十分か、❺原発労働者と地域住民の生活と生命の安全を保障し、環境を保全する実証的な歯止めがあるか、❻民主的な原子力行政が保障されているか、である。伝えられるところによると、福井ケーブルテレビは、毎年参加全校の作品を紹介している福井県高校演劇祭の作品のうち、今年は、原発を題材とした県立農林高校演劇部の作品のみを放送しなかった。
理由は「せりふに差別的な用語があった」ということだが、それは1983年に敦賀市長が講演会で、「放射能の影響で将来に障害のある子が生まれる恐れはあるが、交付金などが入るため原発は誘致すべきだ」と発言した内容を紹介したものであって、同校演劇部が批判的な観点からその発言を引用したことは疑うべくもない。
「差別的な用語」を用いてまでも原発を誘致した地方行政の姿勢を紹介する演劇が、まさに「差別的な用語が使われているから」という理由で放送禁止になるならば、「差別的な用語」を用いた為政者の姿勢は将来にわたって人々に伝えられないことになる。

 

「伝言館」は、「6項目の点検基準」の❻に含まれる「批判を抑圧・排除していないか」という基準に照らして、福井ケーブルテレビのこうした措置を断じて認めることは出来ない。判断を撤回し、同校の作品が放送の機会を与えられるべきであることを強く要請する。

              

伝言館館長 早川篤雄/副館長 安斎育郎・桂川秀嗣)  以下朝日新聞デジタルより

 福島県楢葉町大谷の宝鏡寺境内に11日、原発事故の教訓を伝える施設「伝言館」が開館した。在野の目線で事故の被害や教訓を伝えるのが特徴。

式典に集まった130人が「原子力被害をもう出さない」と誓い合った。 同館は木造2層建て。長年、原発反対運動に取り組んできた「館長」の早川篤雄住職が賠償金など私費を投じて建設した。1階には「エネルギー・アレルギー」と原発推進を謳(うた)う旧科学技術庁のポスターや除染の写真汚染水や震災関連死についての説明パネルなど約100点を展示する。 

 地階では広島、長崎の原爆被害に関する資料、米国の水爆実験で被曝(ひばく)した第五福竜丸に降った「死の灰」などを展示。

同館脇には約30年間、東京の上野東照宮境内で灯(とも)されてきた「非核の火」も移した。

 早川さんは「データの捏造(ねつぞう)や改ざん、事故隠しを続けてきた。起きて当たり前の事故だった」と強調。ともに活動してきた立命館大学の安斎育郎名誉教授も京都から駆け付け「ホームページを作り、世界にも発信したい」。

広島、長崎両市長もメッセージを寄せた。 

                    

                            

 


◎劇団大阪・公演 『ザ・空気』

             

「ETV2001番組改変事件」や「ニュースキャスター降板問題」など、最近のテレビを取り巻く状況を背景にした演目です。

・・・あるテレビ局の報道番組が、局上層部からの命令によって内容が変更されていく・・・

 

★詳細案内は下記

 公演案内 - g-osaka ページ! (jimdofree.com)

★ライブ配信《11/20(土) 11:00~》もあります。

☆●11/20(土)11時ライブ配信チケット●☆ | G-osaka103 STORE 劇団大阪 (stores.jp)

 ※ライブチケット購入の方は12/3(金)まで視聴出来ます

                     K.F(大阪)



 10月以降のMBSラジオ新番組についての情報提供

 

情報提供です。
すでに複数のジャーナリストがSNSで発信していますが、右派論客がならぶMBSラジオの新番組が10月から始まります。

次のURLがその番組。
https://www.mbs1179.com/uwa/sp/

沖縄タイムスの阿部岳さんのツイッターです。
https://twitter.com/ABETakashiOki/status/1439111473729474562?s=19

東京で出番が減ったからでしょうか、大阪のラジオにでてきます右派論客。
MBSラジオ社の幹部もOKしていなければ、番組企画は通らないはずで幹部もOKなんでしょう。
こんな番組が朝から毎日毎日、流れることになります。

安倍晋三氏や橋下徹氏らもゲストで出てくるのでは。
民主的といえない番組が始まろうとしています。

   

   


  Sプレミアム 「バチカン 秘密の宮殿」が放映されました。

        いつ放送されるのか心配していました。           

                                                           ときめき屋正平より。

 

3月6日午後7時30分頃 画面で番組検索をしていましたら、表記の番組が(19:00

21:00)放送されていることがわかりチャネルをあわせました。

 

キリスト教の広布とイスラム教の対立、また宗教改革の荒波のもと,カトリック教皇の考えの変化、将来展望。また、近年の大聖堂地下遺構の発掘で小教会のありようがわかったことなどが語られた。

中世の宗教絵画の発展と画家・彫刻家また建築家たちと、教皇などバチカン・カトリック世界の意思の交流をつないでいきます。ミケランジェロ・ラファエッロのサンピエトロ大聖堂の関わり方のエピソードを交え、バチカン機密文書館で発見された大聖堂建築時の設計に、ミケランジェロの自筆書面の発見があり、その場所・位置をドローンにより確認するなど、最近の研究成果を盛り込んだ、まじめな好番組でした。要潤・ヤマザキマリさんなどのゲストの話も番組の内容を深めました。決して「潜入」などいかがわしい番組ではありませんでした。

主としたテーマはバチカンの意思決定に「美が神と人をつなぐ」とうことが根底にある。と理解しました。

 

 さて視聴後新聞の番組案内表をみましたら以下のように書いてありました。

「大聖堂の地下にカメラが潜入!謎の記念碑▽幻の大聖堂をCG再現 教皇が愛した美の秘密」と。

またもや「潜入」や「謎」という、いかがわしい言葉を使って、本番組をおとしめています。制作者の意図を捻じ曲げる品性のない案内文です。考査室や広報担当部署でのチエックや、放送文化研究所はどのように対応・機能しているのでしょうか。

NHKは綻びはじめているのではありませんか。

 

壊れ始めているのではあありませんか。危惧しています。

 

(管理者より)

  これまでにも、ときめき屋正平さんから「テレビでの突撃・潜入・斬る」という文字の使われ方について投稿をいただき、

  当HPの「番組語り場」に掲載しています。

 

 


最近の秀作テレビ番組2題

今井 潤(放送を語る会)

 

大震災10年とコロナ感染に絡んで、特集番組が放送されていますが、私が秀作とみる番組を二つ御紹介します。

 

3月2日(火)「コロナ後遺症の患者に聞く」BSフジプライム 20:0022:00

これまでコロナ感染の後遺症については、各局で取り上げられ、治療の方法が紹介されています。この番組は声楽家の遠藤玲子さんが味覚、脱毛などの後遺症について詳しく質問に答えました。

スタジオの反町キャスターと女性アナ、桜井充(無所属議員、コロナに感染した医師)、松本哲哉(国際医療福祉大学教授)らが質問しましたが、これまでのニュースや番組とは違い、患者本人に詳しく病状を聞いたのは初めてだと思いました。有意義な番組でした。

 

3月2日(火)クロ現+「追体験 語り部バスの10年」NHK 22:0022:30

 3・11の被害地をホテルの運営するバスで巡る「語り部バス」、すでに40万人が体験している。

 戸倉中学校では教師が老夫婦を助けようとして、津波に襲われ同僚を亡くした例、戸倉小学校ではより高いところへ児童を導き、助けた例。

 防災対策庁舎で最後まで避難を呼びかけて犠牲になった例などが紹介されました。

 こう書くと、いつもの番組と思われるでしょうが、決してそうではなく、専門家の指導によるCG入りのシミュレーションでよりリアルに表現されました。

 最後に武田キャスターが自分の報道の体験も述べたのが貴重でした。

     

             


2021.1.18. 平林 光明(大阪)

 

NHK経営計画」の危険な落とし穴  

 

NHK113日、2023年度までの「経営計画」を発表した。その特徴は一言で言えば『スリム化』一色である。

 押し付けられたスリム化

 計画は、「新時代へのチャレンジ」「社会への貢献」など、重点5項目を上げているが、去年8月に素案を発表した段階で触れられていなかった「受信料の値下げ」を、総務省から強く迫られた結果、23年度に700億円相当の値下げを盛り込まざるを得なかったのが、すべてのスタートと思われる。もとより国民からの受信料を基盤にしているのだから、無駄を省き安くする努力をするのは当然である。しかし経過が示している通り、コロナ禍が明けて公共料金の値上げラッシュが目に言えている政府にとっては、負担軽減の目玉に受信料値下げを利用したい下心が透けて見える。こうして700億円の原資を生み出すために、それこそ聖域のないリストラに踏み込んだのが、今回の「経営計画」だろう。中には新放送センター建設の見直しや、グループ企業の整理など、必要な項目も含まれるが、保有するメディアの削減、営業経費の削減など、視聴者との関係で見逃せない項目も含まれている。これまで拡大一路だった路線を、『スリム化』に置き換える画期となる計画だが、これが視聴者や現場の職員からの要望でなしに、

政府から求められた受信料値下げ原資のためのリストラなら、大きな問題点を含んだものになろう。

 公共放送の未来像を打ち砕く放送波のスリム化

 極めつけは、放送事業者には命綱となる放送波の『スリム化』である。計画によると、ETV削減の噂もあったTV地上波については、今回は触れられていないが、BS放送は現在の3波のうちBS1BSプレミアムを1本にし、ゆくゆくはBS4K一波に集約することを視野に入れている。ラジオについてはAM2波を統合しAMFM2波に整理するというのが骨子である。今の民放キー局並みの規模が目に浮かぶ。NHKの巨大化批判を続けて来た民放に歩調を合わせたのか、削減された電波帯域を狙う携帯電話や通信サービス業界に便宜を図ったのかと邪推したくなる。これまでの拡大路線にストップをかけたにしても、視聴者や現場から出た『スリム化』要求でなく、ただ政府から強要された受信料値下げの原資を生み出すための『スリム化』なら順序が逆である。

計画でも謳う「公共的価値」を実現する上でも、NHKが取り組まねばならない役割は多岐にわたる。公正で深く掘り下げた報道機関としての役割、豊かな日本の伝統文化を次代に継承する役割、質の高い新しい娯楽番組を創造する役割。視聴者は値下げだけを求めているのではない。受信料を託すにふさわしい、国民に支持されたNHKを期待しているのである。その期待に応える放送を提供する上で、『スリム化』された放送体制で十分なのか、検討してほしいのはそうした観点である。財界人が多いNHKの経営陣にとっては、リストラなどたやすいことと思われる。しかし、採算の合わないある事業・ある支店を淘汰するのと

違って、NHKは言論機関であり、文化を創造する機関である。「経営計画」を作るにあたってはそうした視点で当たってほしい。

 

【あと書き】111日「放送を語る会」の創立メンバーであり、会の理論面・運動面で大きな役割を果たしてきた、元NHK教育・教養番組ディレクター戸崎賢二さんが亡くなられました。私は戸崎さんならどういう原稿を書かれたのかなと意識しながら、この原稿を上梓しました。ご冥福をお祈りいたします。

 

                       


 

2020.12.26.  小滝一志(放送を語る会)

 

放送を語る会のみなさん          

  

菅政権のNHKへの圧力が続いています。

年末に放送予定だったNHKスペシャル「永田町・権力の攻防」が、菅首相から出演拒否の意向が伝えられたことがキッカケで放送中止になったとの報道があります。

12/25週刊金曜日、12/17週刊文春・日刊ゲンダイ)

菅首相の出演拒否の背景には、10/26「ニュースウオッチ9」の有馬嘉男キャスターの学術会議会員任命拒否に関する質問があると、どの報道も伝えています。

 

有馬キャスターの質問の余波は、10/29「クロ現+」にも及んだようです。

この日のテーマは「学術会議をめぐり何が?当事者が語る」でしたが、放送当日朝の報道局長の指示で憲法学者・百地章国士舘大学特任教授が、急遽、出演しました。

こちらは、政権からの直接の圧力は報道されていないので、NHK上層部の政権への忖度が疑われます。

 

菅首相に学術会議会員任命拒否問題で「国民に判り易く説明する必要があるのではないか」と質問した有馬キャスターの降板も危惧されています。

4年前、国谷裕子キャスター降板を主導した板谷裕爾放送総局長(当時)が専務理事に返り咲き、当時、同席していた原聖樹氏が現政治部長に座っているからです。

政権への忖度人事の二の舞になるのではないかと懸念されているのです。

 

菅政権のメディアへの攻撃、NHK上層部の政権への忖度、新年早々からどちらにも市民の厳しい監視が必要です。  

         
      

2020.12.13.  今井 潤(放送を語る会)

 

「フロイドさん暴行告発者のはいま」

  12月13日(日)NHK朝のニュースはフロイドさんの暴行死を撮影した17歳の女子高校生のその後を伝えた。彼女の写真がブラック・ライフ・マター(BLM)という運動を全世界に広げたが、彼女のSNSにはバッシングが殺到した。

撮影するより、救急車を呼べ、助けるべきだったというのだ。彼女は精神的に追い詰められ、今は自宅を離れたという。

 プエルトリコ出身の45歳のフロレスさんはこれまで差別を受けてきたが、最近はカメラを持っていて、警官に暴行を受けたという。

 レイズさんたちは市民を守るために、街の監視カメラを利用して、警官を規制する工夫をしている。

 BLMという差別反対運動の裏側で起きている、知られざる動きを伝えるニュースだった。

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