最近、つまらなくなった「相棒」

水谷豊主演の「相棒」のファンで見続けてきました。貧困や格差、マイノリティ差別など、日本社会が抱えるひずみの根源を直視し、権力者や強者にたじろがず弱者に寄り添い、事件に挑む「杉下右京」と「相棒」に快哉を感じたからである。ところが、このところはネタ切れなのか、構成が貧弱で奇をてらうトリックや、ありえないストリーで、社会的矛盾にメスを入れる従来の構成からはほど遠い内容になってきている。
殊に、昨日(2/14)放送(副題さっちゃん)は実にがっかりした。街金でAV出演を強要される女子大生を助けに入り、刺された元恋人の仇討ちなのか、杉下行きつけの料理屋「花の里」のママ(さっちゃん)が、モデルガンをぶっ放すなどに至っては噴飯ものとさえいえる。さらに、なぜ、女子大生が借金に苦しみAV強要される現状はチラ見に過ぎず、社会的背景は深くは描かれていない。
「相棒」が、以前のように、押しつぶされそうな暗雲を打ち払い、爽快に解決していくような、番組をしっかり見せてくれることに期待している。(山)