今井潤(放送を語る会)

  NHKスペシャル 「緊迫ミャンマー 市民たちのデジタル・レジスタンス」4月4日(日)放送

 

4月4日(日)のNスぺ「緊迫ミャンマー 市民たちのデジタル・レジスタンス」は歴史に残る現代を象徴する番組でした。

2月1日の軍事クーデタでスーチーさんたち民主的議員45人を拘束、それに抵抗して立ち上がったのは数百万の20代、30代の若者でした。2月28日軍が弾圧をはじめ、18人が死亡。

僧侶や公務員が抵抗に参加したので軍は危機感を持うようになった。

 

この軍の弾圧に対し、若者はネットや、SNSのデジタル技術を駆使して抵抗、軍の資金源を断つ作戦に出たが、軍はネットを遮断した。

海外のミャンマー人たちはさまざまな形で母国の若者を支援した。日本のミャンマー人も現地とネットで支援を続けた。

その中のウイン・チヨウさんは大学院生の頃、1988年民主化を求める運動に参加したが、軍は武力弾圧した。

今回の抵抗運動で19歳のエンジェルと呼ばれる女性活動家が射殺されたことを許さず、徹底的に映像と証言を集め、軍の関与を証明することを続けている。

3月27日の軍の記念日にも、若者たちはデモを続け、114人が死亡した。

 

この番組に出てくる1988年のヤンゴンの武力弾圧は、それを小型カメラで撮影した映像が実態を明らかにし、NHK特集で放送されたが、その映像編集を担当したものとして、もう一つ思い出すことがある。

それは1989年12月ルーマニアのチャウシェスク大統領の独裁政権が崩壊したのをスクープしたのは2台の小型カメラだったことである。このカメラ映像が政権の内部から独裁政権の実態を暴いたのであった。

 

44日のNスぺは軍事政権の罪をカメラ映像や写真、音声などを徹底的に収集し、分析して軍の責任を摘発するiT技術によるレジスタンスとして、高く評価されるべきだと思います。

 

【参考】同番組は「NHKプラス」で4月11日(日)21:54まで視聴できます。