2021.2.22 今井 潤(放送を語る会)
NNNドキュメント「毒ガスの痕~広島ウサギ島の記憶」は秀作だった (制作:広島テレビ)
2月21日(日)放送の「NNNドキュメント~毒ガスの痕(きずあと)広島 ウサギ島の記憶~」(制作:広島テレビ)を見ました。
この番組は、広島の大久野島の毒ガス製造にまつわる話で、元工員の証言、中国の戦争記念館と毒ガス被害者、岡山の連隊の報告書など、戦争の被害、加害の両面を取材したドキュメンタリーです。
大久野島の毒ガス製造については、これまでNHK、TBSなどでも何回か放送されてきましたが、今回の番組は特に日本の加害に力点が置かれていました。
何といっても大久野島で毒ガスを製造した元工員の証言です。94歳、97歳と高齢ですが、記憶も筆跡も衰えを見せない証言でした。
中国の河北省の被害者も93歳、84歳でしたが、住民たちが掘った地下道は16キロにも及び、壕内から記者がリポートした映像は迫力があり、この中で毒ガスによって虐殺されたという惨状を想像しました。
この華北省の村に2004年謝罪に訪れた元工員の藤本安馬さん(94)は番組の最後に『言うてみれば、天皇陛下のために毒ガスを作る人間になっていたんだろう、そういう人間を作ったんだろう』と語りました。
この番組の再放送は、
【日テレNEWS24】(CS有料放送) 2月28日(日) 5:00~/24:00~、
【BS日テレ】3月7日(日) 8:00~。