佐川元理財局長の証人喚問 モニター報告は「放送を語る会・大阪」の会員有志が各局の番組を録画し、その字幕放送を基に質問や証言、インタビューなどをテキストに起こしたものです。ご意見、感想をお寄せください。モニターを担当していただきました皆様ありがとうございました。

                「佐川喚問」当日のTV番組表 放送を語る会・大阪がモニターを実施した番組

財務省の「森友公文書改ざん」をめぐって、327日(火)午前に参院、午後に衆院で佐川元財務省理財局長の証人喚問が行われた。この喚問について、各放送局で喚問の中継や、当日のニュース番組で報道しました。 

「放送を語る会・大阪」では、国民注視の証人喚問を各放送局はどう伝えたのか、モニター活動を展開し、予断を持つことなくできる限り忠実にテキスト文に起こしました。 

モニターしたキー局の番組は、NHK「ニュース7」「NW9」に解説番組「時論公論」、民放キー局では、TBS「NEWS23」テレビ朝日「報道ステーション」フジテレビ「NEWS α」日本テレビ「NEWS ZERO」それに、テレビ東京(テレビ大阪)「ゆうがたサテライト」の8番組となり、その放送時間は、のべ、2時間13分(概算)となった。

関西ローカル局は、MBS「ちちんぷいぷい」ABC「キャスト」関西テレビ「報道ランナー」それに、読売テレビ「関西情報ネットten」で放送時間は国会質疑の生中継を含んで3時間超に及んだ。(番組表を参照) 

 

 

佐川証人喚問についてネット・キー局は、どのように報じたのか?

  

国会での質疑応答については、その切り取り方など編集に違いがみられるが、およそ、時間軸に沿いながら進めている。喚問の詳細は報告(PDF)をみていただくとして、それぞれの番組の項目タイトルや放送時間、キャスターや記者、コメンテーターの発言に、その局や番組のスタンスが表れるものと注目し、ダイジェスト的にキーワードを拾い上げるようにした。 黄色の網掛けは管理者がつけたものである。

 

項目タイトルと放送時間は以下の通り(放送時間帯順)

    番組名         項目タイトル           放送時間(概算)

 ・ゆうがたサテライト   証人喚問 文書改ざんの真相は?         12

 ・NHKニュース7     佐川氏“首相らの指示・関与なし”       14

 ・NHK NW9     誰がなぜ?新事実は 佐川前長官の証人喚問   25

 ・報道ステーション    関与と動機は明らかに?証言拒否の一方で断言も 30

 ・NEWS23      森友問題“キーマン”国会へ          21

 ・NEWSZERO    佐川前理財局長証人喚問“改ざん”の真相は?   18

 ・THE NEWSα   佐川証人喚問・核心語らず(第2項目)      325

 ・ニュース解説 時論公論 佐川氏喚問 進まぬ真相解明              10

 

  項目タイトルから、各局はこの喚問で真相に迫れなかったことを示唆しているが、NHKニュース7は“首相らの指示・関与なし”としている。 放送時間をみてみるとTHE NEWSαがなぜか325秒と際立って短く、喚問は第2項目だった。(TOP項目:日本vsウクライナサッカー戦評・645秒)

  

●「テレビ東京「ゆうがたサテライト」

 塩田キャスターが「佐川前国税庁長官の答弁から何がわかって何がわからなかったのか」に

 袴田記者は、「“官邸の守護神”といわれていた佐川証人が、文書改ざんについて総理や官邸の関与はなかったと断言し、肝心な部分は、根拠を問われると答弁拒否」だったとし、『よくぞ耐えてくれた』と与党内のコメントを紹介して、ゆるやかな追及を繰り広げた丸川氏(自民)が締めくくりに「総理、総理夫人、官邸の関与は無かったという証言が得られた。」『ありがとうございました』との言葉には失笑が漏れた」と報じた。

 専門家(郷原伸郎弁護士)は、佐川氏の証言拒否は、かえってリスクを高めたのではないかと「重要な部分の証言拒絶は別の面のリスク ~ 責任を取ろうとしないと(世間の)反発を招き、検察の処分にも捜査の進め方にも影響する可能性がある」とのコメントを紹介。

 袴田キャスターは、最大の焦点、なぜ、誰が、いつ、改ざんしたか知っていたのか?については、ほとんど答弁を差し控え、唯一、佐川氏が認めたのは、改ざんは理財局の中だけで行っただけとし、昭恵夫人の名前が出ると強く否定していたのが印象的であるとしている。

 

●NHKニュース7

 項目タイトルの通り、オープニングで、佐川氏が「安倍総理や昭恵夫人、官邸の指示や関与はなかった」、安陪総理の『辞める発言』を受けて「財務省内や官邸との間で協議したことはない」とした。 一方、改ざんの経緯などについては、刑事訴追のおそれがあるとして証言を拒否し、改ざんは理財局内で行われ、責任はひとえに私(佐川)にあるとのべたが、その指示についても証言拒否したとコメントしている。

 エンディングでも、長内一郎政治部記者が、「偽証罪に問われる証人喚問で、政治からの関与はなかったと明言した」と強調している。また、今後の展開として、「与党側は証人喚問が終わったのを1つの節目」とし、「野党側は、昭恵氏や迫田元国税庁長官らの証人喚問を求めていく方針」と解説して終了した。(NHKは、今回の問題の発覚以降「書き換え」と評していたが、当日の正午のニュースから「改ざん」表現をかえている。)

 

●NHK NW9 

 冒頭グラビアで、丸川議員(自民)の『~ありませんでした』の質問からはじまり、有馬キャスターは、真相解明に大きなヤマ場だった証人喚問。 目立ったのは、答弁の拒否」と包括的な印象を述べ、①改ざんは誰が指示したか、②なぜ改ざんをしたのか、③政治家の関与が焦点であったが、佐川氏は、誰が、なぜについては証言せず、「総理や関係者からの指示や圧力はなく、その存在の影響もないと明確に否定」とコメントしている。

  街の声のインタビューで「肝心・要は言わない、政治不信、ああいう答弁はいけない」「同じことの繰り返し、すっきりしない」「言っていないことがいっぱい。はっきりさせた方がいいと思う」と紹介した。

  吉川政治部与党キャップは、「攻めあぐねたという印象は否めない」とし、加戸社会部デスクは、「改ざん前文書の肝心なことにも口を閉ざし、証言が全体的に説得力に欠けると」している。今後の動きとして、「大阪地検の捜査で、虚偽公文書作成の罪の可能性があるが、内容を根本から変えたことを立証する必要があると、慎重な見方をしている」と紹介した。

 吉川キャップは、「与党側は、検察捜査への協力と、財務省内の調査で全容解明と再発防止を図ることで、事態の早期収束につなげたい」とし、「野党側は、疑惑はさらに深まり昭恵夫人などの証人喚問の実現を迫っていく方針」と解説した。続けて、今後の政局で「北朝鮮問題を乗り切るためにトランプ大統領とも信頼関係が強い安倍総理大臣しかいない」との声も紹介しながら、「下落する支持率に安倍総理の3選も容易でない」ともしている。

 

●報道ステーション

  冒頭、富川キャスターは「佐川氏がしゃべったこと、しゃべらなかったこと、言い訳に終始したことこの3つに分けて証人喚問を振り返る」とした。

 喚問VTRでは、丸川質問から始まり、「刑事訴追」で証言拒否を繰り返す場面に、当時の近畿財務局長の竹内国際部長の追っかけ、財務省内で国会中継を見ている様子などを織り込んだ編集となっていた。

  木村豊中市議のインタビューで『~むしろ彼(佐川)が何をかくそうとしてるのかは一層浮き彫りになった』と紹介している。「森友事件」のきっかけとなった木村市議へのインタビューを伝えたのは、報道ステーションだけであった。

  町の声として「官僚トップの賢さ、予定通りの筋書き、解明できるとは思ってなかった」「誰の指示か、辿つくような回答ではなく残念」「一区切り~これ以上無駄」「問題山積、そちらの議論が進まない」とか「正直に言うやつはいないのか」「これが日本・・・」などと若い世代の声も紹介した。

    小池与党キャップは「偽証罪に問われる可能性があるなかで、官邸の指示はなかったと断言したことから、与党側は政治の関与がないことが証明されたと受け止めている」とし、白石野党キャップは「証言拒否を繰り返しながら、なぜか政権の関与ははっきりないと断定したが、その理由は言わない。国民の疑惑は深まったというのが 共通した受け止め」と解説した。

    後藤コメンテーターは、「今回の喚問は相当な茶番 40年前のロッキード事件にも匹敵する 証言拒否の連発は逆に本質を突かれてる」とし、「佐川証人の辞表提出(3/9)から今日まで見事にシナリオどおり動いていて、国会が冒涜された」とコメント。

  富川キャスター「国民としてはまだ納得できないでしょうね」と締めくくった。

  

●NEWS23

 冒頭グラビアは、丸川議員(自民)の質問、『安倍総理・夫人からの指示はありませんでしたね?』に、『ございませんでした』の佐川証人の答弁にはじまった。

   駒田キャスターは「文書の改ざんを誰がなぜ行ったのか。そして、一連の問題に政治家や安倍昭恵夫人の関与があったかどうかです」が焦点とした。

  国会においての一連の質疑応答の後、佐川氏が『近畿財務局の個別案件で、官房に報告・相談することはない、まして官邸に報告はしない』と官邸などの関与を明確に否定したことも報道した。

  街の声として「しゃべらないのが全面に出てイライラしますよね」「ちゃんと言えばいいなと思うけども言えないだろう、聞く方も難しい」と紹介し、決定的な証言を引き出せなかったことに、 山口弁護士(「籠池喚問」補佐人)はインタビューで「~問い詰めるような鋭い質問ができて居ない。~端的に事実を聞かないとだめ」と野党の追及に甘さがあるとした。

   まとめで、星コメンテーターは「断言と証言拒否がはっきり分かれたが、そこに佐川さんの狙いがあるのでは?」と推測しているが、その狙いについては発言がなかった。

   遊佐記者は「政府関係者が、証言は想定内として、沈静化を期待すると」の見方を紹介し、「野党は、疑惑は深まり、総理に忖度するような証言と、当時の理財局長の迫田英典氏や昭恵夫人の証人喚問を求めていく方針だ」と解説している。

   星コメンテーターは「証言拒否は権利ではあるが、拒み続けると証人喚問の意味がなくなり、真相解明ができなくなる。決裁文書の昭恵さんの名前を見たときどう思ったかという質問には答えるべき」「 ~ こんな大胆な文書改ざんを、官邸も財務大臣も次官も知らないでいいのかなという疑問すら起きる。」と証人が拒否し続けることに、疑問を呈した。

  最後に雨宮塔子キャスターの、「心配なのが、これで幕引き?」の問に、「検察の捜査が進み、佐川氏の事情聴取、近畿財務局の家宅捜索とかになれば、政界に与えるインパクトは相当大で、今後の動きに影響を与えるのは検察の調査と世論の動向」と締めくくった。

  

●NEWSZERO

 村尾キャスターの「残る疑問は少なくない、私の率直な感想だ。」誰が何のために改ざんを指示したのかについて、佐川氏は証言を拒否したとオープニングで報じた。

 決裁文書の改ざん時期について、財務省は、去年2月下旬から4月で、この間、佐川氏は国会の場で、『交渉記録は残っていない』、『価格について提示したことはない』などの答弁と、つじつまを合わせるために、決裁文書からこうした記録は削除されたという。

 「国民の疑問には答えられたか?」と記者の詰め寄りに、無言で答えない麻生大臣に続き、財務省幹部の声で『官僚答弁としては模範的。官邸とはあうんの呼吸』『究極の忖度をしたのでしょう』と紹介し、続いて、『彼を追い詰めた責任を真剣に考え、勇気を持って、公務員の矜持を見せてほしかった』と自殺した近畿財務局職員の元同僚の憤りも紹介した。

  村尾キャスターは、喚問で抱いた疑問として、「佐川氏は森友学園に対する国有地の貸し付け、売却は適切だったとしたが、なぜ決裁文書を改ざんする必要があったのか?そこのギャップが大きいのに、そこは証言を拒否している。この空白部分が埋められないかぎり、改ざんの真相は分からない。国民も納得しないと思う。」と閉めた。

 この間、佐川証人の人となりとして『部下に厳しいが上司からの指示はしっかりとこなす官僚』との財務省幹部の声も紹介もしている。

 

●THE NEWSα

 椿原慶子キャスターは「注目の証人喚問。真相は語られなかった」とオープニング。

 喚問で文書改ざんの責任ついて謝罪した佐川氏だが、誰が改ざんを指示したのかについての関与は明確に否定し、理財局の中だけで行われたと強調。問題の核心については一貫して証言を拒み、真相を明らかにしなかった。とし、 国民が知りたい真相について解明できたかと問われて、佐川氏が『満足できていないのでは』との回答も紹介している。

  政治ジャーナリストの角谷浩一氏は、「同じことを繰り返しても意味ないと世論が強まればこの問題は決着というふうにもなりかねない。野党が手を緩めず、何か材料が見つかるかにもかかっていると思う」と今後の展開を解説。

  椿原キャスターは「真相解明には一歩も近づかない結果しかし、ここがゴールでないことはもとから分かっていたことで、これで幕引きとせず、さらに真相解明に取り組んでほしいと思う。」と締めくくった。

 

●ニュース解説 時論公論

 伊藤解説委員(政治全般担当)は、佐川氏が、政治の関与はないと明確に証言する一方、経緯については証言を拒否し、改ざんの責任について謝罪したが、その理由は拒否し、認めてもよいと思われるような事実関係を含めて、ほぼすべての証言を拒んだ今回の喚問に、「釈然としない部分が多く残った」とした。また、国有地の貸し付けと売却が適正か?についても、指示や圧力、影響はなかったと証言。面会記録を廃棄したとの答弁については、丁寧さを欠いていたと陳謝したが、売却は適正に行われたとする答弁は、正しかったと認識しているとの佐川証人の姿勢を報じた。

  真相解明に向けた取り組みでは、①財務省の内部調査であるが、身内の調査には限界があるという批判、②国政調査権に基づく調査だが、今回でも、刑事訴追を理由にした証言拒否で、捜査の壁があるとしている。③検察の捜査では、法と証拠に基づき、刑事責任を問えるかどうか、国会の審議の状況を見ながら、捜査を進めるものと見られるとし、いずれも限界があることに触れていた。

   この問題では、全容解明と、国民に説明する責任、事態を招いた政治的責任、さらに刑事的責任の3つの責任を考える必要があり、第三者による特別の調査委員会を設置し、国会の国政調査権で、調査を支えることも検討の対象と解説した。

    エンディングで、「今回の決裁文書の改ざん問題が決着したかどうかを判断する基準は、多くの国民が納得するかどうかだ、政府も国会も、改めて国民からの信頼回復が急務であるということを、肝に銘ずる必要があるのではないでしょうか。」と国民の注視と政治の責任を強調した。

 

 

 

            関西ローカル局はどう伝えたか? 

 

問題の地元の関西民放各局はこの問題を辛口の切り口で、厳しく報道してきた。 

NHKやキー局の一部は、今回の「公文書改ざん」について、当初「書き換え」としていたが、その後「改ざん」と表現を変更した。一方、関西の民放局は、はじめから「改ざん」として放送を続けていた。平日の午後に放送される関西各局の番組は、何れもワイドショー的構成であるが、出演者に、専門分野の評論家、弁護士や芸人、スポーツ界や俳優など多方面から登用して、比較的フリーに(?)コメントを求めている。その、軽妙な口ぶりだが、ズバッと肝を突く発言が、視聴者の疑問や怒りの気持ちを代弁しているようでもある。 

この概説では、関西の各テレビ局が、佐川喚問をどのように報道するのか? キー局と違いはあるのか? 重複部分は避けて、ユニークな表現・発言に注目した。黄色の網掛けは管理者がつけたものである。詳細は報告(PDF)をダウンロードしてお読みください。 

 

項目タイトルと放送時間は以下の通り

   番組名           項目タイトル          放送時間(概算)

 ・MBS ちちんぷいぷい  「理財局だけで対応」「捜査中なので」   1時間26

                安倍夫妻の関与「ございませんでした」 (国会中継含む)

 ・ABC キャスト       何を語る 佐川氏の証人喚問        22

               「訴追の恐れ」連発 これで“幕引き”? 

 ・関西テレビ 報道ランナー   文書改ざん誰が?何のために?       44

                8億円値引き なぜ?            

 ・読売テレビ 関西情報ネットten 証人喚問 佐川氏は何語る?                 33

                森友“改ざん”真相は?                         

 

●MBS ちちんぷいぷい

  オープニングで「今日は朝から森友一色」との山本キャスターの言葉で番組が始まった。

  参議院での喚問のVTRをうけて、奥田解説委員は、「佐川さんは辞めても公務員なんだとの印象が強かった」と述べ、山本キャスターの「淡々とこなしている感じ、丸川さんとの息もぴったり」に、すかさずトミーズ雅氏が「間がええわ」と返している。

 国会前リポで三澤解説委員は、「答弁拒否の多さ」が気になったとし、龍崎孝教授(流通経済大学)は、政治の関与など、知りたいことはゼロ回答で、丸川質問は、「政治の関与はなかったことを敢えて言わせたい」と感じられたこと、「野党側は値引きの根拠を執拗に追及し、昭恵夫人の喚問が必要だと引き出したい」とそれぞれの陣営の意図を解説した。  衆議院の喚問生中継をはさみながら、山本キャスターは「今、中継で自民議員が、売り払いに至る経緯をずっと時系列で説明をしていて、証人喚問と直接関係あることってなかなか聞いてくれない、」とし、トミーズ健氏は「ただの時間つぶしで~悪意があるぐらい」だとし、ロザン宇治原氏は、「質問の最後を聞かないと、何がやりたかったのか分からない、そこまで決めつけるのはさすがに言い過ぎだと思う」と返している。

  

「電撃訪中は正恩氏?」「ロシア火災報知器作動せず」などのニュースを挟んで

 

 山本キャスターは「国会が冒涜されたことで呼んでんのに」とこれまでの自民議員の質問を批判した。龍崎教授は「正直言って大変がっかりした。つまり、この取引は適正でなんの圧力も無い」と証言を繰り返させることにあったと印象を述べた。さらに、佐川証人の『職員たちは苦労して取り纏めた、それを理解してほしい』という趣旨の証言に「真相究明を望んでいる国民に、自分たちは頑張ったんだから許してくれと、こんな風にきこえてしまう」と発言。山本キャスターは「そういう姿が有権者にどう映るかですよね、節穴じゃないですから私たちは」と応答した。

  奥田解説委員は、「感情に訴える意味で、『理不尽に思わないのか』の質問にも、答えは変わらず、これ以上の新しい話は難しいのかな」と感想を述べ、かつて、文書廃棄と答弁したことに、「期日で廃棄という管理規則について、一般論を述べただけとの(佐川氏の)答弁は苦しい」と解説した。龍崎教授は「真相究明という点では0点だった。与野党共に証言を突き崩すような、新しい情報を持っていない、力不足が見えてしまった」とした。

 西アナは「これは証人喚問、事実をちゃんと残す事が今後の真相解明に大事」だとし、「後味がいいか悪いか、なんとももやもやする日ではありますが、元々今日すっきりするという話、無いことなのかなと・・・」と今後の展開につないだ。

 

●ABC キャスト

 古川キャスターの「佐川喚問、どう見たか?」との問に、元経産省官僚の古賀茂明氏は「やっぱり佐川さんは安倍政権のを汲んで頑張ったな」と冒頭で印象を述べた。

つづいて参院での喚問をVTRで詳報したが、佐川氏の「訴追の恐れ」「証言を控える」証言が占める中で、蓮舫議員(立)の『国会が死んだ日になる』が印象的である。

 木原コメンテーターは、「核心部分は全て『刑事訴追』で逃げ、改ざんについては、理財局長としての責任という認め方をしたが、指示、関与については『刑事訴追』で逃げた。つまり、政府与党にとって一番都合のいい答弁」と解説し、古川キャスターは、「その代わり、我々のもやもやはつのった。」とした。

 8億円の値引きに関連しての質問に、佐川証人が『勉強』というキーフレーズの連発に、木原コメンテーターは、「自身が契約後に理財局長になり、『部下に聞いたり資料を読んで、勉強した結果で答弁している』と証言し、結局「佐川氏に聞いても分からない」とし、古賀茂明氏経験者からみると、前任者(迫田氏)から詳しい説明を全く聞いていないのが、一番の驚きで普通ありえないことだ」と、異動後のルーティンのやり方を交えて発言した。

 木原コメンテーターは、「去年の答弁では、『改ざん前・後どっちの文書を見てしたのか?』の質問にも一切答えず、答弁が刑事訴追されているわけでなく、答えられる筈だが一切答えていない。」8億円値引き問題は、「当事者でなければ真相は分からない」と解説した。

三輪記子弁護士は、「当時、丁寧な答弁が出来なかった理由が、『珍しいくらい多くの質問を受けて慌てた』との証言は、特殊な事例だったと言ったに等しい」と感想を述べた。

 古賀茂明氏は、「正直に喋ってほしかったが、その選択肢は今の官僚には与えられてない感じがする。安倍一強体制は揺るがないと思い込んでいるから、ここで政権に傷を付けるようなことを言ったら、徹底的に潰されると思い、善悪の判断をする前に、自民党に協力するしかない・・」と強く感じた印象をのべた。

 古川キャスターは「今回で明らかにならなかったことを、迫田理財局長(当時)や昭恵夫人の証人喚問で明らかになるのでしょうか?」と番組前半を締めくくった。

 後半のニュースでは、「市民団体の告発の動きや、大阪地検が任意の事情聴取を検討するとみられる。」と報道した。

  

●関西テレビ 報道ランナー

 1年前の証人喚問、籠池氏の『神風が吹いた』『事実は小説より奇なり』で始まり、改ざんは、麻生財務大臣が『(財務省が)佐川の答弁に合わせて書き換えた』、太田理財局長の『佐川前局長の関与は』との回答をオープニングで紹介した。

 参院喚問のVTRのあと、新実キャスターは「一つの山場とも言える佐川証人喚問が行われた」とし、女優の秋野暢子氏は「予想していたことだが、結局何もおしゃべりにならない。何のために1日やり続けたのか疑問です」と証人喚問に対しての感想を述べた。

 フィールドキャスターの坂元龍斗氏は、「籠池証人喚問に比べて、どっと沸く回数は少なかった」につづき、はじめは緊張していたが、「自民党の質問につれて和らぎ」、野党の質問に「どんどん語気が強く早口」になり「かわし方をあらかじめ決めているように見え」、かえって、「やましいこと、隠し事があるのかな?」と証人の回答姿勢について雑感を述べた。文書改ざんをめぐっては、神崎デスクは、改ざんと政治家との間に明確な線引きがあったとし、刑事訴追で逃げたことと、政治家の影響・指示がなかったことを解説した。

 菅野稔人(津田塾大教授)は、「与党は欲しかった証言が得られたが、野党は結局獲得できたものはほぼなかった」と言えるとし、秋野氏は、「野党の隠し玉」がなく、期待をそがれたとの感想も述べている。

 インタビューで「多分なにも言わないだろう想像していた。嘘をつかないではっきりと言ってほしい。本当にイライラする」、「それだけお給料をもらっている人なのでは答えないといけない」とか「1年続いている。またかという感じ」「ほんまのことを打ち明けて国民のため・・・、長すぎます!」と関西の人の思いを紹介した。

  現地、豊中市の森友学園からの中継で、土地は国有地に戻っているが、建物が誰のものかわからない状況と。公人中の公人の佐川氏が、自分を守るために、証言拒否を繰り返しているなか、捜査機関が、『自分は改ざんをさせられた』とのメモを残して、自殺した近畿財務局職員の対しても話が聞けない中で、誰が指示し誰が改ざんしたのかを証拠上結びつけられる丁寧な捜査が必要と、捜査のハードルをリポートした。

 坂元フィールドキャスターは、補佐人の弁護士が甘利大臣や小渕経産大臣の時の弁護人で、今回も何らかの形で自民党や官邸と十分にを通じていた可能性を指摘したが、安倍総理の関与については、「もうこれ以上の攻め手はないのか?」とも解説した。

  新実キャスターが、「与党にも野党にも国民の厳しい目が注がれている」と締めた。

  

●読売テレビ 関西情報ネットten

中谷しのぶキャスターが「焦点の、誰が、なんのために改ざんを指示したかについては、捜査中を理由に証言を拒否しました。」とし、高岡解説委員が「正直申し上げて、新証拠がなく野党側がかなり苦戦」とのコメントでオープニングした。

 国会議事堂前からの中継で、山川解説デスクは「佐川氏から20メートルほど離れた所でもはっきりと聞こえるほどの、証言は力強さがあったという印象だ」とした。

 喚問VTRのあと、自殺した近畿財務局職員と同僚だった男性は『非常に優秀で、正義感あふれる人、彼を追い詰めた責任を、佐川さん、もっと真剣に考えていただかないと、弱いものがやっぱり犠牲になる、もう情けなくって、つらくって』と今の心情を電話取材に吐露している。

  山川デスクは、「野党側としては、証言拒否は想定内にあったわけだが、佐川氏の心を揺さぶりながら、核心に迫る証言を引き出そうとしたが、この作戦は今日結果的に失敗したといわざるをえないと」解説。事件のの部分が見えないことに、円広志は「あまりの頑な姿勢で一切答えない状況と、野党側の絶対的な証拠がないかぎり、攻めきれない・・、いらいらしたものがある」と印象を述べ、高岡解説委員は「8割方佐川ペースで進んだ」とみているとしている。続けて、佐川氏は想定以上の官僚答弁だとして、「当時の局長だから結果責任はあるが、やったとは言わない」「あくまで理財局の個別案件で小さな案件。いちいち報告したり相談したりしない、それが理財局の通例」「『ありませんでした』『ございませんでした』と即断に、今日は言い切ろうとしていた」と佐川証人の思いを推測した。住田弁護士は、反対に「通例で逃げたが、事実の確認をしていないことでほころびを見せた。また、断言はしたが、ほかのところは逃げることで証言にギャップがあり、落とし穴に落ちたような気はする」とコメントした。

  今回の喚問に対して、「一般国民から見た印象は大事」、「手の内を見せないが、捜査的には次の展開が起きうるか」と、見通しを示し「与党側は、総理周辺の関与の疑惑は取り除くことができた、野党側は、さらなる証人喚問を求めざるをえない」とそれぞれの立場を説明した。

 2部では、「『刑事訴追』で逃げることは、やましいことがあるのと同義語だ」「偽証すると罪に問われるなかで、政治家の関与はないと、はっきり言われてるから違法な関与はなかったと思いますね。」と日本維新の会の松井一郎代表の発言も紹介している。

 最後に、地検特捜部は、今日の証人喚問に大きな関心を持っていて、今後、佐川前局長の事情聴取も視野に、つめの捜査を進めていると記者のリポートでまとめた。

 

 

「佐川喚問」モニター報告

◎nhkおよびネットキー局は

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テレビ東京 ゆうがたサテライト    文書改ざんの真相は?
放送:16時54分~ 12分15秒間
20180327 テレビ東京(大阪) ゆうがたサテライト モニター報告.pdf
PDFファイル 268.0 KB
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NHK ニュース7             佐川氏”首相らの指示・関与なし”
放送:19時~ 14分17秒間
NHK ニュース7 モニター報告票 .pdf
PDFファイル 229.6 KB
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NHK ニュースウォッチ9        誰がなぜ?新事実は 佐川前長官の証人喚問
放送:21時54分~ 25分間
●20180327 NW9 佐川 証人喚問 モニター報告票 -.pdf
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テレビ朝日 報道ステーション     関与と動機は明らかに?証言拒否の一方で断言も
放送:21時54分~ 30分間
20180327 テレビ朝日 報道ステーション モニター報告.pdf
PDFファイル 502.7 KB
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TBS NEWS23            森友問題“キーマン”国会へ
放送:23時~ 21分間
20180327 TBS NEWS23 モニター報告.pdf
PDFファイル 235.7 KB
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日本テレビ NEWS ZERO      佐川前理財局長証人喚問“改ざん”の真相は?
放送:23時~ 18分10秒間
20180327 日本テレビ NEWS ZERO モニター報告.pdf
PDFファイル 312.9 KB
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フジテレビ THE NEWS α       佐川 証人喚問 ・改ざんの核心語らず
放送:23時45分~ 3分25秒間
20180327 フジテレビ THE NEWS α モニター報告.pdf
PDFファイル 137.6 KB
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NHK ニュース解説 時論公論     佐川氏喚問 進まぬ解明
放送:23時55分~ 10分間
20180327 NHK持論公論.pdf
PDFファイル 279.2 KB

◎森友学園の地元 関西ローカル局は

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MBS ちちんぷいぷい         あさからどのテレビも佐川証人喚問  安倍夫妻の関与「ございませんでした」
放送:13時55分~ 1時間26分41秒間
MBS ちちんぷいぷい.pdf
PDFファイル 510.2 KB
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ABC キャスト              何を語る 佐川氏の証人喚問 「訴追の恐れ」を連発 もうこれで“幕引き”?
放送:16時50分~ 22分32秒間
20180327 ABCテレビ キャスト モニター報告.pdf
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関西テレビ 報道ランナー       文書改ざん誰が?何のために     8億円値引きなぜ?
放送:16時47分~ 44分間(前・後半)
20180327 佐川証人喚問モニター票 報道ランナー 確定版②.pdf
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読売テレビ かんさい情報ネット ten  証人喚問佐川氏は何語る? 森友“改ざん”真相は? 佐川前局長”答弁拒否”近畿財務局の反応は
放送:15時50分~ 33分間(1部、2部)
かんさい情報ネットten 佐川前国税庁長官 証人喚問モニター報告票.pdf
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