NHKスペシャル 「新型コロナと世界経済」 5月24日放送

 

新型コロナの緊急事態宣言を、政府が525日に全面解除するのを前に、24日午後9時からの「NHKスペシャル」では、「新型コロナと世界経済」と題して、V字回復は可能かを探った。全面解除は政府が自ら目安とした指標を達成していないにもかかわらず、"総合的判断という便利な言葉で、経済の再開を前のめりに進めようとしたものだが、番組では先に再開した中国が再び低落したのを例に、簡単ではないことを示した。今回のコロナ禍がはしなくも明らかにしたのは、新自由主義経済とグローバル化の行き詰まりだった。部品の在庫をゼロにする、極限まで来た効率化は、医療面でも緊急時に備えた余力をそぎ落とす政策で、各国で医療崩壊をもたらした。製造業のグローバル化は、小さな部品1つが手に入らないことで操業できない状況を作り出した。専門家はコロナの収束がはっきりしない中で、V字回復どころか、U字回復、最悪の場合L字になることもあり得ることを警告していた。この災厄を、市場任せの経済や格差社会を見直す機会にする必要を痛感した番組だった。

(平林光明)

 

新型コロナ緊急生放送 「いま、あなたの不安は何ですか?」       NHK総合  3月16日午後7時30分から8時45分

NHK総合で3月16日午後7時半から8時45分まで、新型コロナ緊急生放送と銘打って放送された「いま、あなたの不安は何ですか?」は、タイムリーな企画だった。視聴者からの疑問に各部門の専門家が応えるという定番のようだが、福祉施設の責任者や記者なども交え、より現場に近い情報にしようという工夫は感じられた。感染が始まって2か月余りたち質問も多岐にわたっていたが、解りやすく説明されていた。政府の対策がいきなり小・中・高の一斉休校や、イベントの自粛など、統制色の強いものだっただけに、戸惑いが目立ったが、それなりに恐れながらも必要以上に恐れることは、却って動きを閉じ込めてしまい逆効果なのではと考えさせられた。ただ春になればと淡い期待もあったが、かなりの長期戦も覚悟しなければならないことも教えられた。FAXやメールで3000通の質問が寄せられたことは、関心の高さを感じさせ、引き続き第2弾も期待したい。    (平林 光明)

 

 年が変わってから突然降ってわいた「新型肺炎」問題。予備知識が無いのと、日本も無関係ではいられない状況が重なって、民放のワイドニュースは例によって連日、横並びの大騒ぎである。報道は必要だがもう少し冷静になれないものか。こうした中で気になる話が2つ。
① つい先日行きつけの理髪店に行った時の話。
 店主は連日色んな客の相手をして、情報過多気味。「この菌は中国軍が作った細菌兵器」「春節の大移動期に合わせて世界中にばらまいている」「最初に危険性を訴えた医師は、その後拘束され殺された」「日本から送られたマスクは猫ばばされ届いていない」「北朝鮮の感染者0は見つかり次第銃殺されている」…。まあ出るは出るは。関東大震災のデマでも口コミであれだけ広がったのだから、ネット時代の今なら、どれだけのデマやフェイクニュース」が飛び交っているのか、空恐ろしくなる。確かに医師の死は公表され、自らも発病して隔離されて亡くなったのが事実のようだが、フェイクに輪をかける恐れもある。店主には、この時期様々なデマやフェイクニュースが飛び交うから、話半分で聞くようにと忠告しておいたが、ネットの監視体制も必要になりそうである。(国民監視にならないよう注意は必要だが)
② 肺炎問題に隠れてあまり扱われていないが、アメリカでインフルエンザが大流行。患者2200万人、死者1万2000人という数字が発表されている。何のことは無い「肺炎」より多いのである。未知の菌ではないということだろうが、アメリカには何の渡航条項も適用されていない。そう言えば足元の日本でインフルエンザがどうなっているのか、何の情報もない。暖冬で患者0ということなのだろうか。

平林光明(大阪)       2020.02.09 掲示板への投稿を転載しました。(管理者)