12月11日、奈良市内で、武蔵大学教授・永田浩三さんを迎えて、標題の講演会があり、83名が参加しました。(放送を語る会・大阪から2名が参加)
永田さんは、安倍晋三官房副長官(当時)らの介入によって大幅に改変された、2001年1月30日放送のNHK教育テレビ「ETV2001」『戦争をどう裁くか ~問われる戦時性暴力~』のチーフプロデューサー。また、先ごろ大きな問題になった「あいちトリエンナーレ ~表現の不自由展・その後~」の実行委員を務められました。
永田さんは、4ページに及ぶレジメを用意して縦横に話され、多くの体験と事実の分析に基ずく話でしたので参加者から強い共感の反応があったように感じました。
以下、講演内容の概略を紹介します。
安倍政権の異常な実態として・・・
第4次安倍改造内閣----側近、お友達、タカ派、極右 2名の閣僚は不祥事により1か月余で交代
1.「桜を見る会」の私物化、公選法違反、反社会勢力の招待
2.兵器の爆買い
3.危険な中東戦略
4.高市早苗総務大臣(電波停止発言)の再登板
5.衛藤晟一特命大臣―極右組織・日本会議と安倍政権のパイプ役
6.萩生田文科大臣の民間英語試験「身の丈発言」と延期の判断
7.森友・加計学園問題でのウソ・隠ぺい・公文書改ざん
・・・等々を指摘されました。
次に、メディア状況について・・・
❍ 安倍政権の旗振り役としてのNHKニュース。
❍ NHKは、加計学園問題の文書について、前川喜平氏の告発インタビューを行いながら放送
せず、お蔵入りに。
❍ 岩田明子記者が安倍首相の代弁----北方領土問題・朝鮮半島情勢など、国民のためでなく政権の
立場からの解説。
❍ 2014年7月、国谷裕子キャスターの菅官房長官への「集団的自衛権の行使と戦争に巻き込まれる
懸念」についての質問に、政権から圧力。
16年3月で国谷さんは「クローズアップ現代」のキャスターを降板。
❍ 2015年3月、古賀茂明コメンテーター降板。
2016年3月で、岸井成格、古舘伊知郎キャスター降板。
❍ 2017~19年、望月衣塑子東京新聞記者へのパッシングと弾圧。
❍ 2018年4月NHK「クローズアップ現代 +」が「かんぽ生命」の不適切販売を放送したのに
対し、郵政グループから不当な圧力があり、「続編」の放送を中止。
NHK経営委員会が会長に厳重注意。会長が先方に謝罪。
❍ 「あいちトリエンナーレ ~表現の不自由展・その後~」への暴力的・政治的な脅迫・圧力を受
けて3日間で中止に追い込まれたが、多くの関係者や市民の粘り強い努力と連帯によって再開
(会期末7日間)できた。
❍ ネット時代の放送の生き残りにについて、最近の若者のテレビ離れの状況に触れ、この4年間に
10代の1日のテレビ視聴が103分から73分に30分減る一方、ネットは99分から129分に30分
増えたと紹介されました。
講演会のお知らせ
「安倍政権とメディア」 ~言論・表現の不自由の時代に~
◎講師 永田浩三さん(武蔵大学社会学部教授 元NHKプロデューサー)
◎2019年12月11日(水) 奈良教育会館4F大会議室
◎主催 NHK問題を考える奈良の会(世話人 斎藤紀彦)
◎チラシ参照ください(世話人の斎藤さんの了解を得て掲載しました)